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多剤耐性アシネトバクターと多剤耐性緑膿菌 令和元年10月16日以来、本ホームページにおきまして当院結核病棟の本館5階病棟ならびに6階病棟での多剤耐性アシネトバクター院内感染および当院での緑膿菌検出状況についてご報告申し上げて参りました。その後の経過をご報告申し上げます。 令和元年8月に当院での拡大感染対策委員会におきまして多剤耐性アシネトバクター院内感染が確認された後、当院では当該病棟のみならず全施設で設備の消毒に努める一方全職員が決意を新たにして院内感染予防対策の強化に取り組んで参りました。 まず多剤耐性アシネトバクター院内感染が確認された段階で当該病棟の病室、ベッド、トイレや吸引器等の拭き取り検査を行い、環境面での同菌汚染の有無を検討いたしましたが、これらの設備や機器から同菌は検出されませんでした。 続いて、当該病棟入院患者様の喀痰(吸引痰を含む)や便を定期的に培養し、多剤耐性アシネトバクターの保菌状況を検討いたしました。その結果、8月には1名の患者様の便から同菌が検出されましたが、9月以降はこの患者様を含めてどなたからも同菌は検出されておりません。11月からは感染予防対策の充実とその自己評価、および患者様の感染状況モニタリングを続けることを条件に、患者様やご家族の方々にこれまでの経緯をご説明しご納得いただいた上で本館5階病棟および6階病棟の入院受け付けを再開しております。 11月以降は、5階および6階病棟に継続入院中の患者様に加えて新規入院の患者様に関しましても、喀痰培養検査で多剤耐性アシネトバクターを検索いたしました。その結果、12月から本年2月にわたっていずれの患者様からも同菌は検出されておりません。 一方、緑膿菌に関しましても、院内感染予防対策の充実が効を奏し、病院全体での院内検出件数は有意に減少して参りました。とくに多剤耐性緑膿菌(MDRP)につきましては、昨年10月以降1例も検出されておりません。2剤耐性緑膿菌につきましても新規の院内発生は減少し、本年に入って1月は0例に抑えられております。 以上、ご報告申し上げます。今後も引き続き病棟での微生物感染モニタリングを続行しつつ院内感染対策の徹底を推進し、大阪府の結核医療ならびに地域医療に貢献いたしたいと考えております。皆様におかれましては、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 令和2年2月 医療法人 仁泉会 阪奈病院 |